こんにちは、山田です。
2017年は皆さんにとってどんな1年になったでしょうか。今年もTwitterやブログで沢山の方にお世話になりました。ありがとうございます。今年は緊迫した国際情勢のアレコレや著名人の不祥事のアレコレなど、テレビをつけても心安らぐ報道を殆ど観なかった気もします。音楽シーンを振り返って見ますと「ヒット曲が無かった年」と評されている2017年ですが、個人的にはそれでも本当に楽しませて頂いたつもりです。ですからそんな年が「ヒット曲が無かった」で一蹴されるのが何とも歯痒いので、勝手に個人的なヒットチャートを組んで、ブログで発表しようと思いました。なんて安っぽい企画なんでしょう。勿論、楽曲に順位を付けるなんて大変おこがましいのは重々承知しております。最後まで付き合って頂けたら幸いです。






10位  サイハテアイニ / RADWIMPS


2016年に大躍進したバンドと言ったら誰しもRADWIMPSの名前を挙げるだろう。映画『君の名は。』の音楽を担当し、年末には紅白歌合戦にも出演した。そんな彼らから今年は1枚のシングルが届けられた。2年ぶりの両A面シングル『サイハテアイニ / 洗脳』である。「サイハテアイニ」はアクエリアスのCMソングとして書き下ろされ、清涼感と疾走感の漂う現在のRADWIMPSのスタンダードとも言える楽曲であった。「サイハテアイニ」と「洗脳」の関連性をここで述べると長くなりすぎるので、それは僕が今年の5月10日に投稿したブログを参照にして頂きたい。これまで様々な角度から「愛」を紡いできた野田洋次郎 (Vo.&Gt.)だからこそ提示できた最果ての愛の形がそこにはある。既に来年にシングルのリリースが決定している彼らから目が離せない。


9位  明日も / SHISHAMO        


今年はこのスリーピースガールズバンドの活躍も眩しかった!SHISHAMOさんでございます。この「明日も」がリード曲となっているアルバム『SHISHAMO 4』とシングル2枚をリリース。映画『ミックス。』に挿入歌と主題歌を書き下ろし、今年の紅白歌合戦への出演も決まっております。すごい。インディーズレーベルだから尚更すごい。この「明日も」だが、NTTドコモ『ドコモの学割』TV-CMソングにも起用され、彼女たちがこの曲を提げてMステに出演した時は正座でテレビ画面にのめり込んだものだ。学生から社会人まで、葛藤と不安の狭間で争いながら歯を食いしばって生きる全ての人に捧げられた応援歌である。この楽曲の中で描かれる人物がもがき苦しみながらも今日を生きれるのは胸の中に抱えたヒーローという存在があるから。アルバム『SHISHAMO 4』も聴かせて頂いたが、アルバムの中でもラストを飾ったこの曲は頭一つ抜けていた印象だ。今年の紅白歌合戦ではこの「明日も」が披露されるみたいなので注目していきたい。



8位  バトンロード / KANA-BOON


アニメ『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』の主題歌として書き下ろされたKANA-BOONの11枚目のシングル。KANA-BOONが『NARUTO』シリーズに携わるのはこれで4度目。その中でこの「バトンロード」は今のKANA-BOONがモロに映し出された傑作だと思う。今年は某元 女優さんがKANA-BOONの飯田さん(Ba.)との男女関係を全部、言っちゃったのでバンド活動に支障をきたさないか不安だったのだが、この楽曲を聴いた時にそんな不安も吹き飛んだ未来を君と追い抜いて / 見たいのさこの目で新章を》そんな言葉を具現化するようにKANA-BOONは今年だけで2枚のシングルとフルアルバム『NAMIDA』をリリースしている。因みにこの曲の歌詞にも“涙”というワードが登場する。鮪さん(Vo.Gt.)からこの「バトンロード」を通して手渡されたバトンがそこにはあり、きっと多くの人の背中を押しているのだろう。


7位  レム / ポルカドットスティングレイ
 

ポルカドットスティングレイのメジャーファーストフルアルバム『全知全能』のリード曲であるが、まずこのアルバムについて言いたい事が1つある。1stフルアルバムの癖に全く初々しさがない!可愛くないぞ!雫さん (Vo.&Gt.)は可愛いけど……。それくらい完成していたので腰を抜かしました。この「レム」だが「ヨーグリーナ&サントリー天然水」との初コラボレーションのMusic Videoが作成されていて、潤いを求めてポルカのメンバーが砂漠を大冒険をするという内容である。因みにこの曲のバイオリンを弾いているのはクリープハイプの長谷川カオナシさん。この楽曲に漂う浮遊感と清涼 感。なんて爽やかなこれまでのポルカの イメージから逸脱したような作風 だが、メジャーデビューを機に方向性を変えた訳は決してない。ポルカは「 何でもやる、何でもできる集団 」なのだ。余談だがYouTubeで公開されているポルカのメジャーデビュー初発表時の動画を観てみるとウェディングドレスに身を纏った雫さんが高々と「メジャーデビューします!」と言い放った直後にこの「レム」のイントロが鳴らされていた。もしかしたらバンドにとっても特別な1曲なのかもしれない。 


6位  ヒカリノアトリエ / Mr.Children

 

NHKの連続テレビ小説『べっぴんさん』の為に書き下ろされた楽曲。今年でデビュー25周年を迎えたMr.Childrenにとってそのプロジェクトの第1弾にも該当するシングルであった。約22年ぶりとなったホールツアー『Mr.Children Hall Tour 2016 虹』とこのシングルを提げて行われた『Mr.Children Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ』のために結成されたバンド "Mr.Children、ヒカリノアトリエで虹の絵を描く" が演奏、アレンジをしている。《 誰の胸の中にだって薄暗い雲はある / その闇に飲まれぬように / 今日をそっと照らしていこう》《 過去は消えず 未来は読めず不安が付きまとう / だけど明日を変えていくんなら今 /  今だけがここにある》何なんだこの説得力は!?桜井和寿(Vo.Gt.)だからこの歌詞を誰かの為に歌えるのだ。かつて果てしない闇に飲み込まれそうになったMr.Childrenだからこそ空に架かる虹を信じる事の真意を知っている。心温まるアンサンブルに載せられた言葉の凄みをひしひしと感じた1曲だ。     


5位  イト / クリープハイプ     
 

この「イト」は、菅田将暉さん主演の映画『帝一の國』 の主題歌として書き下ろされた。 映画主題歌を担当するのは『脳内ポイズンベリー』以来約2年ぶりとなる。とWikipediaにあった概要を意図的に丸パクリしてみたが『脳内ポイズンベリー』良い映画だったなあ……。この楽曲のMusic Videoが公開された日にはのめり込むように見たものだ。今作はライバルを蹴落として勝ち残ろうともがく映画の登場人物たちの人生模様を、操り人形の「」と生き抜く戦略の「意図」にかけて表現した作品との事。尾崎世界観さん(Vo.Gt.)が「『この曲で届かないなら仕方がない』と思える程の曲が出来ました」とコメントしてるのも聴けば納得。そして聴けば聴くほど誰かの意図でもがき苦しむ主人公の姿が尾崎世界観さんと重なってしまう。だから個人的に《切れたら切れたで不安になるのは /  積み上げた物を信じている から》という歌詞を聴くと胸が引き締められる。余談だがクリープハイプが今年発表した「ただ」もすこぶる良い。クリープハイプ、年々強固なバンドになっていく。来年の活躍が楽しみだ。




4位  つながって / ケツメイシ



2016年にリリースされたケツメイシの10枚目のアルバム『KETSUNOPOLIS 10』を提げたツアー『ケツメ  KTM TOUR 2017 幻の六本木大サーカス団「ハッキリ言って パーティーです!!」』で自身初の会場限定販売シングルとなる『人生劇場』をリリースしたのだが「つながって」はカップリングとして収録されている。それにしてもこの曲、アホみたいに良い。初めて聴いた時は無意識に涙がポロポロ出たものだ。《僕が笑顔になれる場所へ 君をつれて行くよ / そうやってつながっていたくて / 僕を分かってほしくて》大好きな"君"といつでもつながっていたいという優しいテイストのラヴソング。ミドルテンポで紡がれる"君"への一途な気持ちと奏でる美しいハーモニーが半端なく心地良い。この人達、やはりただのおじさんではない。会場限定CDとは言ったが、iTunesなどでは配信されているので是非ともこちらは聴いて頂きたいものだ。     


3位 ステップアップLOVE / DAOKO × 岡村靖幸         



DAOKOさんが米津玄師さんとコラボレーションした「打上花火」でそれなりのヒットを飛ばしかと思ったのも束の間、なんとお次は岡村靖幸とコラボするというのだからおったまげ〜。 どんな楽曲になるか想像も出来なかったが完成した「ステップアップLOVE」を聴いた瞬間に心を撃ち抜かれた。作詞はDAOKOさんと岡村ちゃんの共同で、作曲と編曲は岡村ちゃんのダンサンブルな1曲。全体的に岡村ワールド全開なのだが、そこに堂々と入り込むDAOKOさんのポテンシャルの高さにも驚愕。Music Videoで見せる2人のダンスバトルも必見だが、歌詞が凄い。岡村靖幸という天才が持つグルーヴとリズム感や唯一無二だ。《 いろはもまだ勉強中》というフレーズは如何にも岡村ちゃんらしい。彼と"勉強"は切っても切れないものなのかも。そこで《異論反論 また燃え出す》と韻を踏むセンスも素晴らしい。岡村ちゃんはこの楽曲で初のMステ出演も果たす飛躍っぷり。ただ3回もクスリで逮捕されてもMステって出れるんだなあ…()



2位 記念撮影 / BUMP OF CHICKEN
 


今年はこの「記念撮影」にヤラレた1年だったといっても過言ではない。正直これ以上の言葉はいらない気もするが、それにしても何なんだこの曲。エモーショナルな言葉の一語一句に一切無駄がなく、抑制されたハイブリッドなサウンドが実にズルい。特にズルいのは歌詞だ。《終わる魔法の中》青春時代というニュアンスだと個人的に解釈しているのだが、あの頃に想像していた未来がいつの間にか《想像じゃない未来》になり、その上に立って生きている者が抱く現在進行形の想いが藤くん(Vo.Gt.)の圧倒的な言葉で描き出されているのだ。《 固まって待ったシャッター  / レンズの前で並んで /とても楽しくて / ずるくて / あまりに眩しかった》何なんだこの歌詞!?あまりに切ない(泣)そんなカメラのレンズに向けた視線の更に向こう側には今の僕自身がいて《 掌の上の動かない景色の中から僕らが僕を見ている》と歌っているのだ。21年目を歩みだしたBUMP OF CHICKENが《終わる魔法の外》にいるからこそ創造できたこの「記念撮影」という1曲。初のリリックビデオが制作された意味も分かる気がする。そのくらいこの楽曲に託された言葉は重く儚い。これまた素晴らしい名曲がBUMP OF CHICKENから生み落とされたと思う。 


1位  若い広場 / 桑田佳祐

覚えてないくらい昔から桑田佳祐(Vo.)の作る音楽に触れてきた。それは僕の人生に於いての必然であったし、そこに何の邪気も無かった。「若い広場」はNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』の為に書き下ろされた楽曲だが、この曲を初めて聴いた時に心の臓から震撼した。桑田佳祐という1人のミュージシャンをずっと聴いて来れた事、そしてこの「若い広場」とタイムリーで出会えた事は今年一番の財産となったと言っても過言では無い。


2016年に桑田佳祐が発表した無国籍で高揚感のある打ち込みのダブサウンドで聴かせた「ヨシ子さん」と歌謡テイストに仕上げた「若い広場」には内在する共通したロジックがある。《EDMたぁ何だよ》《"ナガオカ針"しか記憶にねぇよ》と自虐を入り混ぜながらアナログ世代の悲哀を歌った「ヨシ子さん」は今の桑田佳祐にしか歌えない。15年前に『ROCK AND ROLL HERO』を掲げていた中年男の桑田佳祐に歌えるわけがない。この「若い広場」も同様で今の桑田佳祐だからこそ歌えたスタンダードな楽曲なのだ


1人の男が《とうに帰らぬあの時代》に想いを馳せながら「若い広場」は展開していく。青春時代にキスを交わした相手の事、イケない事としりつつヤンチャした仲間達、熱い涙を分かち合った友に心の中で《みんな今頃どうしてる?》と膝を抱えながら問いかける。この歌の主人公は痛いほど知っているのだ。《熱い吐息をもう一度》と歌いながらもその時がもう来ない事も、《イカしたシルエット》がもう見れない事も誰よりも知っている。 そんな儚い現実を憂いながらも、明日に希望が持てるのは若い広場」という希望に燃える恋の歌があったからだ。だからこそ明日誰かが待っている》というラストのフレーズが持つ意味はあまりにも大きい。「若い広場」のMusic Videoを観てみると《頬を濡らすは涙雨》という歌詞に呼応するかのように桑田佳祐が涙を流すシーンがある。桑田佳祐という男が約40年間も日本の音楽シーンのトップを走り続け、今もなお愛され続ける理由がここにはある。大名曲が誕生した。余談だが今年の『紅白歌合戦』に特別枠で桑田佳祐の出演が決定したという。歌唱曲は勿論「若い広場」。年内最後にこの曲が聴ける事を素直に喜びたいと思う。(やまだ)





今年の私的ヒットチャートを勝手に組んでみよう[2017年編]

TOP 20



1位 若い広場 / 桑田佳祐
2位 記念撮影 / BUMP OF CHICKEN
3位 ステップアップLOVE / DAOKO × 岡村靖幸
4位 つながって / ケツメイシ
5位 イト / クリープハイプ
6位 ヒカリノアトリエ / Mr.Children
7位 レム / ポルカドットスティングレイ
8位 バトンロード / KANA-BOON
9位 明日も / SHISHAMO
10位 サイハテアイニ / RADWIMPS